めまい、頭痛、首のトリガーポイントシリーズでは、さまざまな症状の原因となる、首の筋肉に発生したトリガーポイントについて解説していきます。
トリガーポイントとは、筋肉の中に発生した痛みの引き金(トリガー)となるポイントのことです。
トリガーポイントが筋肉の中に出来ると、その筋肉に痛みを感じるだけでなく、一見関係のないように思われる離れたところにも痛みを感じます(これを関連痛とよびます)。
関連痛は痛みだけでなく、その他の症状としてもあらわれることがあります。 めまいもその一つです。
この記事の目次
・大後頭直筋
・小後頭直筋
・上頭斜筋
・下頭斜筋
後頭下筋群には、この四つの筋肉が存在します。
首の一番深い部分にあるインナーマッスルと呼ばれる筋肉で、後頭骨と首の骨(頸椎)についています。
ここにトリガーポイントが出来ると、頭痛が起こります。
トリガーポイントの教科書には、後頭下筋群のトリガーポイントによって体に起こる症状はここまでしか載っていません。
しかし、大成堂で多くのめまいの患者さんを治療し観察してきた経験上、この筋肉が原因でめまいが引き起こされていると確信しています。
後頭下筋の中の、大後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋の三つで構成される後頭三角と呼ばれる部位があります。
この後頭三角のなかを走る椎骨動脈の血流が影響をうけることでめまいが起こるケースがあります。
その場合、この部分の筋緊張を緩和することで、めまいは速やかに解消されてゆきます。
後頭下筋にトリガーポイントが発生したら、どう対処すれば良いでしょうか?
ネックウォーマーなどを使って、首を冷やさないことが重要です。
冷えることで血流が悪くなると、筋肉内が虚血状態になってしまいます。
この状態は、筋肉を傷めやすい状況であり、また筋肉内に発痛物質が溜まりやすい状況でもあります。
夜寝ている時に、布団が首までかかっていないことで首が冷えてしまい、朝起きた時には首に痛みを感じてしまうケースなどは典型的な例です。
朝起きた時が一番調子が悪い場合は、まず首を冷やさないことに注意をしてみてください。
これは四つの後頭下筋の付く方向が違いますので、首を傾ける角度が変わってきます。
どの筋肉をストレッチするか、その目標で首を曲げる方向が微妙に変わってきますが、あまりそこにこだわる必要はありません。
首を曲げた時に、自分の感覚で、こっているところ、痛いところがしっかりと伸ばされている感覚を味わいながら筋肉をストレッチしていけば正確なストレッチができます。
ポイントは、勢いをつけて筋肉を伸ばさないことです。
息を吐きながらゆっくりを伸ばしていってく、これはストレッチの基本です。
この部分を緩めるのに使うツボは崑崙です。
後頭下筋の辺りには、天柱というツボがあります。
天柱は、天国の柱という意味で、崑崙は天国に一番近い崑崙山の意味です。
このため天柱を緩めるのに、崑崙が使われるのですが、たんなる言葉遊びではなくて、実際に緩めることが出来るツボです。
崑崙は火傷しやすいツボなので、お灸をする際は気をつけてください。
天柱は直接お灸をするのは不向きなのツボなので、指圧するのが良いでしょう。
大成堂中医針灸院
院長 藤田 勇
脳の反射を利用した刺さない鍼を用いて、
病院で検査や治療を受けても解消しない体の悩みに
どうしていいのかわからない人たちを治療。
大学病院(日本医科大学・自治医科大学)で
計10年以上鍼灸外来を担当。
鍼灸臨床歴20年、のべ19,000人以上を治療。
刺す鍼から、刺さない鍼へ
刺さない鍼は、ハーバード大学で認められた鍼灸治療スタイルと、
中国でレジェンドと呼ばれる老師達に学んだテクニックを組み合わせ、
日本で多くの先生達から学んだ知識と技術、
解剖学、生理学、心理学といった西洋医学の知識、
さらに20年の臨床現場での経験を組み合わせて熟成させた、
大成堂オリジナルの技術。
(昼休み13:30~15:00は電話がつながりませんので、LINEかメールをご利用ください)