喉の奥の違和感、まとわりつくような痰、鼻の奥から流れ落ちてくる後鼻漏（こうびろう）。そして、身体のだるさや気分の落ち込みといった自律神経の乱れ…。

上咽頭炎（じょういんとうえん）のつらい症状に悩まされ、耳鼻科でのBスポット療法を受けてもなかなか改善しないとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「もう何をしても無駄なのか」と諦めそうになる気持ち、よくわかります。

しかし、諦める必要はありません。実は、ご自宅でできるセルフケアの中にも、つらい症状を和らげ、回復をサポートしてくれる方法がたくさんあるんです。

この記事では、上咽頭炎の症状を少しでも楽にするための具体的なセルフケア方法を詳しくご紹介します。今日からできることを始めて、上咽頭炎に負けない身体を目指しましょう。

つらい上咽頭炎の症状、自宅でできることを始めませんか？

上咽頭炎の症状は、日常生活の質を大きく低下させます。常に喉の不快感があることで、集中力が続かなかったり、夜なかなか眠れなかったり、精神的にも疲弊してしまうことがあります。

医療機関での治療はもちろん大切ですが、ご自身の身体に向き合い、日々の生活の中でできるセルフケアを取り入れることは、症状の改善を促し、再発予防にも繋がります。

「長引く上咽頭炎のつらい症状…その原因、ご存知ですか？喉の不調と自律神経の乱れの関係」でもお伝えしたように、上咽頭炎は単なる局所の炎症に留まらないことも多いため、全身のバランスを整えるセルフケアが有効になることもあります。

今からご紹介するセルフケアは、特別な器具が必要なく、手軽に始められるものばかりです。ぜひ、ご自身の症状に合わせて、できることから試してみてください。

喉の炎症を和らげる基本的なセルフケア

上咽頭炎の症状の根本には「炎症」があります。まずは、この炎症を少しでも和らげるための基本的なケアから始めましょう。

効果的なうがいと鼻うがいの方法

喉や鼻の奥の炎症を直接洗い流す「うがい」と「鼻うがい」は、セルフケアの基本中の基本です。

• うがい:
  • 方法: コップ1杯のぬるま湯に小さじ1/4程度の塩を溶かした生理食塩水、または市販のうがい薬（推奨濃度に希釈）を使います。上を向いて「あー」と声を出しながら、喉の奥までしっかりと液を届かせましょう。数回に分けて繰り返します。
  • ポイント: 冷たい水ではなく、体温に近いぬるま湯を使うと、粘膜への刺激が少なくなります。頻繁に行うことで、喉に付着したウイルスや細菌、アレルゲンなどを洗い流すことができます。
• 鼻うがい:
  • 方法: 専用の鼻うがい器や、生理食塩水（ぬるま湯に塩を溶かしたもの）を用意します。片方の鼻の穴から液を入れ、もう片方の鼻の穴、または口から出すようにします。慣れるまでは難しいかもしれませんが、焦らずゆっくり行いましょう。
  • ポイント: 必ず生理食塩水を使用してください。水道水だと鼻の粘膜を刺激して痛みを感じることがあります。鼻の奥に溜まった後鼻漏や炎症物質を効果的に洗い流すことができます。

喉の乾燥対策と加湿の重要性

乾燥は上咽頭の粘膜にとって大敵です。粘膜が乾燥すると、バリア機能が低下し、炎症が悪化しやすくなります。

• 室内の加湿: 加湿器を使って室内の湿度を50～60%に保ちましょう。特に就寝中は口呼吸になりやすく、喉が乾燥しやすいので、寝室の加湿は重要です。
• マスクの着用: 就寝時や外出時にマスクを着用することで、喉の乾燥を防ぎ、吸い込む空気の湿度を保つことができます。
• こまめな水分補給: 水やお茶などをこまめに飲み、喉を潤しましょう。カフェインやアルコールは利尿作用があるため、控えめにすることをおすすめします。
• のど飴やトローチ: 喉の乾燥が気になるときは、のど飴やトローチを利用するのも良いでしょう。唾液の分泌を促し、喉を潤してくれます。

上咽頭の血のめぐりを良くするためのケア

上咽頭に炎症が起こっている状態なので、いかに炎症反応を速やかに全うさせるかが、炎症を収束させるポイントになります。

そのためには上咽頭への血流を高めることが一番すべきことになります。上咽頭の血流を高めるためのセルフケアも実践してみましょう。

• 首の後ろを温める: ペットボトルにお湯を入れて首の後ろに当てます。お湯の温度が低すぎると効果が落ちるので、火傷をしない程度に高めの温度のお湯を入れてください。
• 首の横を温める: こちらもペットボトルにお湯を入れて当てるのも良いですし、スプーンをお湯につけて温めたものを首の横に当てるのも良いです。首の横には扁桃腺に直結するツボ（天牖（てんゆう）が存在します。

自律神経の乱れを整えるリラックス法

上咽頭炎が長引く背景には、必ず自律神経の乱れが潜んでいます。自律神経のバランスを整えることは、全身の免疫力を高め、炎症の回復を促す上で非常に重要です。

アロマテラピーや呼吸法で心身のリラックス

心身のリラックスは、副交感神経を優位にし、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。

• アロマテラピー: ラベンダー、カモミール、サンダルウッドなど、リラックス効果のあるエッセンシャルオイルをディフューザーで香らせたり、ハンカチに数滴垂らして吸い込んだりしてみましょう。
• 腹式深呼吸: 腹式呼吸を意識した深呼吸は、迷走神経を刺激してリラックスできる方法です。まずお腹を凹ませながら口からできるだけ息を吐き切ります。そうすると自然と息が吸い込まれるので鼻から吸い込むことを意識します。お腹をいっぱいいっぱいまで膨らませ、再びお腹を凹ませながらゆっくりと口から吐き出します。まずは1分間続けてみましょう。
• 立つ瞑想: 短時間でも瞑想を取り入れることで、心のざわつきを鎮め、リラックス効果を高めることができます。

軽い運動やストレッチで自律神経を整える

適度な運動は、ストレス解消になり、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。

• ウォーキング: 無理のない範囲で、最低一日おきに20分のウォーキングを取り入れましょう。公園など緑の多い場所の中で行うと、さらにリラックス効果が高まります。
• ヨガや太極拳: 身体をゆっくりと動かすヨガや太極拳は迷走神経を刺激してリラックスに心身を導いてくれます。

気持ちの落ち込みを和らげるセルフケア

上咽頭炎の症状が長引くと、気持ちが落ち込みやすくなるのは当然のことです。またその心の状態が上咽頭炎を拗らせます。心のケアも、セルフケアの重要な一部です。

• まずは今の状況を受け入れる: 「なんで私が？」「いつまで？」そんな風に思いがちですが、その気持ちの状態が自律神経のバランスを乱してしまいます。「もうしょうがない！」「上咽頭炎存在するなら勝手に存在していればいいじゃん！」と開き直るところから心身が整う道をスタートします。
• 適度な日光浴: 日光を浴びることで、心の健康に良いとされるセロトニンという物質の分泌が促されます。
• 質の良い睡眠: 適切な睡眠は心身の回復に欠かせません。夜中12時を回る前に就寝して、7時間以上は睡眠をとるようにしましょう。また寝る環境の質を高めるために寝具をはじめ寝室内のアイテムにも気を使いましょう。

セルフケアを続ける上での注意点と限界

セルフケアは症状の緩和や体質改善に役立ちますが、いくつかの注意点と限界があります。

• 継続が重要: セルフケアはすぐに効果が出るものではありません。毎日コツコツと続けることが大切です。
• 症状のアップダウンにとらわれない: セルフケア中に症状が一時的に悪化したりしても淡々と続けていくことが大事です。ただ新たな症状が出たり、大きく悪化した場合は医療機関を受診することも視野に入れてください。
• 専門家への相談: セルフケアだけで改善が見られない場合は専門家にご相談ください。特にBスポット療法を受けても治らないという状況であれば、別の視点からのアプローチも検討する必要があります。

セルフケアで改善しない場合は専門家へ相談を

今回のセルフケアを実践しても症状が改善しない、あるいは一時的に良くなってもまたすぐにぶり返してしまう、という場合は、専門家による根本的な治療が必要なサインかもしれません。

上咽頭炎の背景には、体質的な問題や、自律神経の深刻な乱れなど、セルフケアだけでは対応しきれない要因が潜んでいることがあります。

そのような場合は、鍼灸治療など、身体全体のバランスを整える東洋医学的なアプローチが有効な選択肢となる可能性があります。

【大成堂中医針灸院】上咽頭炎でお悩みの方へ

長引く上咽頭炎のつらい症状、もう一人で抱え込まないでください。群馬県伊勢崎市の大成堂中医針灸院では、Bスポット療法では改善しなかった上咽頭炎に対し、東洋医学に基づいた根本的な鍼灸治療で多くの方の症状改善をサポートしています。

当院の上咽頭炎治療について、さらに詳しい情報（患者様の事例、施術内容、料金など）は、以下の専門ページでご確認いただけます。

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まずは一度、お気軽にご相談ください。

院長 藤田勇

大成堂中医針灸院
院長 藤田 勇

脳の反射を利用した刺さない鍼を用いて、
病院で検査や治療を受けても解消しない体の悩みに
どうしていいのかわからない人たちを治療。

大学病院(日本医科大学・自治医科大学)で
計10年以上鍼灸外来を担当。

鍼灸臨床歴20年、のべ19,000人以上を治療。

刺す鍼から、刺さない鍼へ

刺さない鍼は、ハーバード大学で認められた鍼灸治療スタイルと、
中国でレジェンドと呼ばれる老師達に学んだテクニックを組み合わせ、

日本で多くの先生達から学んだ知識と技術、
解剖学、生理学、心理学といった西洋医学の知識、
さらに20年の臨床現場での経験を組み合わせて熟成させた、
大成堂オリジナルの技術。