63歳 男性 群馬県 太田市
手足のしびれ
半年ほど前から、両手、両足に手袋、靴下のような範囲で、しびれと知覚のにぶい状態が出現するようになる。
両腋窩から両脇腹にかけても同じ状態があるが、手足にくらべて弱い。
症状の出始めのころは、日中ずっと出ていたが、現在は三分の二程度に。強さも三分の二程度に軽減はしている。
入浴で若干軽減。気温や気圧で増悪傾向。
2年前、5ヶ月前に、心臓にステントを入れる手術をした。
5年ぐらい前より、睡眠時無呼吸症候群がある事に気づく。
週に一回のペースで治療をスタート。
瘀血、免疫弱体、副腎疲労、糖代謝、酸素供給の異常がみられたので、それを改善する治療をおこなった。
使用したツボは、中封 曲池 照海 太白 陰陵泉 中脘 魄戸 脾兪 etc
一回目の治療後、手足のしびれは10→5程度に。
脇は変化なし。
二回目の治療後、手足のしびれは10→3程度に。
三回目の治療後、手足のしびれは大分軽減し、しびれの範囲も狭くなってきた。
斜角筋の所の痛みが気になる。
五回の治療で、手は残り1割、足は残り3割程度になった。
脇腹や斜角筋の痛みがまだ気になる。
七回の治療で、手足は残り位置一割程度、その他全ての症状が三分の一以下にまで軽減した。
この後も、一年ほど週に一回のペースで治療を続け、日常生活で仕事をしている時などはほとんど気にならない程度で維持し続けた。
その後は、二週に一回のペースでさらに一年間治療を継続し、仕事の忙しさもあり、略治として治療を終了した。
今回のしびれに対して、大成堂でメインスタイルとしている長野式鍼灸治療の考えで重視している三つのポイントに治療をしています。
ポイント①
太白:糖代謝の問題によりしびれがおこってくるので、この場合に使うツボです。
必ずしも血液検査で血糖が異常値を示していなくても使えます。
ポイント②
魄戸:酸素供給不足によってもしびれは起こり、この場合に使うツボです。
肺に関係するツボは、気を主り酸素供給を増加させていきます。
魄戸以外にも、肺に関係するツボをしびれに対して使います。
代表的はツボは経渠です。
ポイント③
中脘:このツボは胃腸などの問題にも多用されますが、神経繊維そのものに対する治療で使います。
以前、抗がん剤治療による足のしびれの患者さんにも、この中間を使ったケースがあります。
その患者さんは、とても面白い反応を示して、中脘に鍼をすると、足先まで一旦しびれが強くなり、その後しびれが改善していきました。
臀部に鍼や灸をすると、坐骨神経を刺激して足先まで刺激が届くことはよくあり、それは解剖学的にも納得できる現象です。
しかし、中脘があるのはお腹で、足まで解剖学的にはまったく繋がりがありませんので、とても不思議な現象でした。
以上3つのポイントに、今回の患者さんも治療をおこなっていき、速やかにしびれが改善していきました。
鍼灸治療の中では、一般的にしびれは治りにくいと言われています。
しかし、この3つのポイントを外さず治療をしていくと、多くの場合改善していくケースがほとんどです。
大成堂中医針灸院
院長 藤田 勇
脳の反射を利用した刺さない鍼を用いて、
病院で検査や治療を受けても解消しない体の悩みに
どうしていいのかわからない人たちを治療。
大学病院(日本医科大学・自治医科大学)で
計10年以上鍼灸外来を担当。
鍼灸臨床歴20年、のべ19,000人以上を治療。
刺す鍼から、刺さない鍼へ
刺さない鍼は、ハーバード大学で認められた鍼灸治療スタイルと、
中国でレジェンドと呼ばれる老師達に学んだテクニックを組み合わせ、
日本で多くの先生達から学んだ知識と技術、
解剖学、生理学、心理学といった西洋医学の知識、
さらに20年の臨床現場での経験を組み合わせて熟成させた、
大成堂オリジナルの技術。
(昼休み13:30~15:00は電話がつながりませんので、LINEかメールをご利用ください)