めまいの原因で一番に思い浮かべるのは耳の疾患です。
メニエールや最近では良性発作性頭位めまいも良く聞かれる病名です。
危険なめまいとしては、脳の疾患が思い浮かべられます。
小脳出血・梗塞や悪性発作性頭位めまいなどは、早期に発見して西洋医学の治療を施さないといけません。
この他にも、めまいを起こす原因となる耳や脳の疾患はたくさんありますが、多くのめまいに悩む人たちを苦しめている原因は、この二つではないことがほとんどです。
首が原因となる頚性めまいが大半をしめます。
頚性めまいの中には、二つのポイントがあります。
一つは、このブログでも何度も書いてきている後頭下筋や頚板状筋など、頚部の筋が問題になっている場合です。
そして、もう一つは今回取り上げる椎骨脳底動脈不全症です。
この記事の目次
10年間、意識が薄れそうになるめまいに悩まされた方が大成堂を訪れました。
大学病院や専門病院で検査をしても原因が分からず、入院、治療をしてもめまいが良くならなかった方です。
脳神経外科や耳鼻科で、CT、MRI、ホルター心電図、血管造影検査などすべて異常なし。
体の疲れや神経の使い過ぎでめまいが悪化し、その時は首筋がはってきます。
めまいが続くことで元気もなくなり、生気がなくなってくる様子を傍らでみていた奥様は、ご主人の葬式の準備を本気で考えていたそうです。
この患者さんは、典型的な椎骨脳底動脈不全症です。
椎骨脳底動脈は、心臓からでた動脈が、首の骨である頸椎の中を通る椎骨動脈と、そこから後頭部の所に来て脳の中に入って行く脳底動脈の総称です。
椎骨動脈は、頸椎にある細い穴を通っているので、頸椎のズレや頸椎周りの筋肉の緊張などの影響をうけやすく、脳底動脈は、後頭部のところで急カーブして脳に入って行くので、後頭部周りの筋の緊張の影響をうけやすい構造となっています。
厳密に言うと、動脈硬化により血管がアテローム変性し、通り道が細くなっている状態を椎骨脳底動脈不全症とするのですが、頸椎のズレや周りの筋緊張の影響で血流不全になる場合も、椎骨脳底動脈不全症に入れて良いと考えています。
めまいの症状に加えて、
・頭が後ろにひかれる感じ
・靴ひもを結ぶ時のように下をむいた時めまいが起こる
(縦の頭の動きでめまいが起こるということ)
・手足足先のしびれ
・複視:ものが
・霧視(景色に霧がかかったように見える)
・眼前暗黒(目の前が暗くなってくるように見える)
・発汗(冷や汗)
・脱力発作
・意識消失
・比較的強い後頭部痛
・両側耳鳴り、頭鳴(脳鳴)
・異常血圧(高い場合と低い場合がある)
・口周囲のしびれ感
※プライマリーケア医のためのめまい診療の進め方 中山杜人著 新興医学出版社より
冒頭で出てきた、意識が薄れそうになるめまいの患者さんは血管造影検査で異常が見つかっていません。
血管造影検査で診られるのは、動脈硬化による血流障害がある場合の話です。
これが現在の西洋医学の限界なのですが、日常生活上での流動的な体の変化の上で起こる血流障害をキャッチすることができないのです。
首を動かしたときにだけ血流が障害されてしまうケースがあっても見逃されてしまうので、日常生活の動作で椎骨脳底動脈の血流不全がおこっていても分からないのです。
この椎骨脳底動脈不全によるめまいに対しての切り札となる鍼灸治療が、椎骨脳底動脈不全治療です。
手足のツボを使って頸椎や後頭部の筋緊張を緩め、血流不全を起こしている状態を解消していくことで、めまいが起こらない状態にしていきます。
私は前から意識が薄れそうになる、目まいが時々おきて立っていられない状態になり専門の病院に入院してMRI、CTをはじめあらゆる検査をしてもらいましたが、どこにも異常は見つかりませんでした。
しかし退院してしばらくするとめまいの症状が起きてくるのです。
見落としがあるのではと思い他の病院に入院して検査をしてみましたが、ここでも異常なところはみつかりませんでした。
こんな状況で3回入退院をくりかえしたが、めまいの症状はなおりませんでした。
そこで、東洋医学を受けてみようと思い大成堂中医針灸院をたずねてみました。
針と灸ははじめての体験で不安でしたが、治療していただくと痛くも熱くもなく、身体がぽっぽとしてきて、すっきりして軽くなった気がしました。
その後2日目頃からはめまいがおきなくなり、4ヶ月が過ぎましたがめまいはありません。
今は1ヶ月1回の治療で症状は安定しています。
今は針治療をしていただいたお陰と、感謝でいっぱいです。
※施術効果には個人差があります
大成堂中医針灸院
院長 藤田 勇
脳の反射を利用した刺さない鍼を用いて、
病院で検査や治療を受けても解消しない体の悩みに
どうしていいのかわからない人たちを治療。
大学病院(日本医科大学・自治医科大学)で
計10年以上鍼灸外来を担当。
鍼灸臨床歴20年、のべ19,000人以上を治療。
刺す鍼から、刺さない鍼へ
刺さない鍼は、ハーバード大学で認められた鍼灸治療スタイルと、
中国でレジェンドと呼ばれる老師達に学んだテクニックを組み合わせ、
日本で多くの先生達から学んだ知識と技術、
解剖学、生理学、心理学といった西洋医学の知識、
さらに20年の臨床現場での経験を組み合わせて熟成させた、
大成堂オリジナルの技術。
(昼休み13:30~15:00は電話がつながりませんので、LINEかメールをご利用ください)