「キーンと高い音がずっと続く…」
「ジーというノイズのような音が気になって眠れない」
「ボーッと低く響く感じがある」
「心の状態で変化する耳鳴り」
耳鳴りには、実は“音の種類”があります。そしてその違いは、東洋医学の視点から見ると、体質や内臓の状態のサインととらえることができます。
第1回の記事では、「耳鳴り=耳の病気」ではなく、自律神経や五臓のアンバランスによる体全体の不調の現れであることをお伝えしました。
今回はその内容をふまえて、「あなたの耳鳴りが、どの臓器のバランスと関係しているのか」を見つけるセルフチェック法をご紹介します。
耳鳴りの種類は主に次の3つに分けられます。
音のタイプ | 東洋医学的な背景 | 体の状態の特徴 |
---|---|---|
キーンと高音 | 肝タイプ(気滞) | イライラ・目の疲れ・肩こり |
ジーと蝉が鳴くような低音 | 腎タイプ(腎虚) | 冷え・疲れやすい・老化傾向 |
心の状態と連動する音 | 心タイプ(心神不安) | 不眠・動悸・焦り・不安感 |
「ただ耳鳴りがある」のではなく、「どんな音か」「どんなときに強くなるか」に注目することで、耳鳴りの原因に近づくヒントになります。
以下では、東洋医学でよく使われる「五臓」のうち、耳鳴りと特に関係が深い3つのタイプをご紹介します。
ぜひ、今のあなたの体と心の状態に当てはまる項目をチェックしてみてください。
こんな症状があれば肝タイプの可能性
原因と背景
「肝」は、気の流れや感情のバランスに関係する臓です。更年期以降は肝のエネルギーが滞りやすく、ストレスによって「気滞(きたい)」と呼ばれる巡りの悪さが起こります。これが耳の神経にも影響を与え、高音の耳鳴りとして現れることが多いです。
こんな症状があれば腎タイプの可能性
原因と背景
「腎」は、東洋医学で生命力の源とされる臓。年齢とともに腎のエネルギーは自然と減っていくため、50代以降は腎虚(じんきょ)と呼ばれる状態になりやすくなります。腎が弱ると聴力にも影響し、低音の耳鳴りが出やすくなるのです。
こんな症状があれば心タイプの可能性
原因と背景
「心」は、文字通り“心神”=精神の安定をつかさどる臓です。心のエネルギーが乱れると、睡眠や情緒が不安定になり、それが耳鳴りとして現れることがあります。
とくに更年期の女性では、ホルモン変化によって心神が乱れやすくなり、不安や動悸、そして耳鳴りがセットで起こる傾向があります。
「自分がどのタイプか、なんとなくわかった」
「でも、どう対処したらいいの?」
そんなあなたに向けて、次回はタイプ別にできる東洋医学的セルフケアを紹介します。
耳鳴りに振り回されず、日々の生活を少しでも楽にするための方法を、やさしく、具体的にお伝えします。
【第3回はこちら】
耳鳴りのセルフケア3選|ツボ・呼吸・心の整え方
また、これまでの内容を踏まえて「もっと詳しく知りたい」「自分に合った治療を受けたい」という方は、耳鳴りの専用ページをご覧ください。
大成堂中医針灸院
院長 藤田 勇
脳の反射を利用した刺さない鍼を用いて、
病院で検査や治療を受けても解消しない体の悩みに
どうしていいのかわからない人たちを治療。
大学病院(日本医科大学・自治医科大学)で
計10年以上鍼灸外来を担当。
鍼灸臨床歴20年、のべ19,000人以上を治療。
刺す鍼から、刺さない鍼へ
刺さない鍼は、ハーバード大学で認められた鍼灸治療スタイルと、
中国でレジェンドと呼ばれる老師達に学んだテクニックを組み合わせ、
日本で多くの先生達から学んだ知識と技術、
解剖学、生理学、心理学といった西洋医学の知識、
さらに20年の臨床現場での経験を組み合わせて熟成させた、
大成堂オリジナルの技術。
(昼休み13:30~15:00は電話がつながりませんので、LINEかメールをご利用ください)