首こりは、さまざまな不調をあなたの体に引き起こしていく原因となります。
頭痛、慢性疲労、眼精疲労、うつ様症状、更には自律神経失調、ホルモンバランスの乱れからくる更年期症状など、本当にバラエティに富んでいて、「万病のもと」と言える様相を呈しています。
注) これらの症状の原因の全てが首こりだと言えるものではありません。
世の中には「〇〇が病気の原因のすべて!」「〇〇を治せば、すべてが治る!」的な言葉をよく見かけますが、それは短絡的です。
人の身体は複雑系であって、さまざまな要因が絡み合って、さまざまな症状がおこってくるものです。
そこを忘れて、「これをすれば」「これを食べれば」「これを飲めば」健康になれると勘違いしてしまうことは、逆に不健康への道を進むことになってしまいます。
この記事の目次
西洋医学では、検査をして目に見える病気には強いですが、レントゲンやMRIなどでは筋肉の問題はとらえきれませんので、どうしても見逃されてしまいます。
また逆に、レントゲンやMRIなどで少しでもヘルニアが見られると、それを原因にしてしまいますが、ヘルニアがあっても症状が出ない人もいれば、ヘルニアが無くても症状に悩まされている人も大勢います。
では何が原因なのでしょうか?
まず考えたいのは、首こりを緩めることで、こういった症状が改善する人が本当に多くいるということです。
その事実だけでも、首こりに原因があると考えるのは科学的な思考です。
(もちろん全てが、、、というつもりはありませんが)
だから、大成堂は何度も言うのです。
あなたが何年もめまいや頭痛などに悩み、病院で検査をしたり薬をもらい服用して、その時限りの対処療法をしているようなら、首こりを緩和させることで根本的な改善につなげることができる可能性がありますよ、と。
首こりからさまざまな症状にどのように繋がって行くのでしょうか?
★トリガーポイント
首のこりが進行すると、首の筋肉の中にトリガーポイントと呼ばれる状態が発生します。
トリガーポイントは、首そのものの痛みの原因になるだけでなく、頭痛・めまい・ふらつき・慢性疲労などにもつながってくると考えられます。
首の筋肉の中でも、頭と首の境目にある小さな筋肉群(後頭下筋群)にトリガーポイントが発生することが原因となります。
また、ここがスタートポイントとなって、目の奥の筋肉に影響が出る場合があります。
それが目の血流不全につながり、目の奥の痛み、眼精疲労などの原因となってくることが多くあります。
★首の血流不全(椎骨脳底動脈)
首を通って頭に流れて行く動脈が二本あります。
そのうちの一本である椎骨脳底動脈は、首の骨の中を通り抜け、頭と首の境目の後頭下筋群の間をくぐり抜けて脳へ入って行きます。
このため、後頭下筋群のこりがあることで椎骨動脈の血流不全を起こすことがよくあります。
椎骨動脈血流不全によって、脳への血流に障害が発生すると、めまい、ふらつき、頭重感、思考の低下、やる気の低下などがおこります。
MRAの画像診断で、血管の流れが障害されているのを確認できるものを、正式な椎骨脳底動脈血流不全症と呼びますが、実際には画像で診断されないレベルの血流障害も多くあると考えられます。
★硬くなった筋肉による神経圧迫
首、肩、背中、腕、手などに、筋肉のこりとは違った痛みやしびれなどがおこる原因の一つは、過緊張を起こした筋肉が神経を圧迫することで起こるケースが非常に多くあります。
神経の圧迫というとヘルニアを思い起こすかもしれませんが、症状を起こす原因としては、こちらのケースの方が実際には多い物です。
MRI等で、ヘルニアが確認されても、症状が起こっていないケースもあれば、実際の症状とヘルニアによって圧迫されている神経の場所が一致しないケースもあるし、また、ヘルニアが無くても症状が出ているケースも非常に多くあるわけです。
これらを総合的に考えれば、ヘルニアを見つけたら鬼の首を取ったように、それを原因としてしまうことには無理があります。
★頸椎(首の骨)の問題
とはいえ、頸椎が問題ででる症状が多くあるのも事実です。
※何度も書きますが、「〇〇が病気の原因のすべて!」「〇〇を治せば、すべてが治る!」ということはあり得ません。
頸椎の問題として、変形性頚椎症、頸椎ヘルニアなどがあげられ、これが痛みやしびれの原因と考えられることが多くありますが、実際には結果であって原因とは言えません。
どういうことかと言うと、
首のこり(筋緊張)が長く続くことが、頸椎に長期にわたって圧力をかけていきます。
これによって、頸椎の関節が変形していくと、変形性頚椎症に椎間板に負担がかかることで、頸椎ヘルニアになって痛みやしびれにつながっていくわけです。
★自律神経への影響
脳から出た迷走神経は首を通って全身に繋がって行きます。
この神経は、自律神経のうちの副交感神経です。
首のこり(筋緊張)が、迷走神経に影響することで自律神経の乱れが出現します。
迷走神経は、さまざまな場所に繋がっているので、そのつながった部位にいろいろな症状がでてきます。
目:ドライアイ、眼瞼下垂、目のかすみ、飛蚊症など
耳:聴力減退、耳鳴り
喉:梅核気、喉の炎症
鼻:慢性鼻炎、鼻水
口:口内炎、歯痛
その他:不眠、めまい、慢性疲労 手足、頭首の発汗異常 動悸、血圧不安定、情緒不安定
また、自律神経系のバランスが乱れることで、ホルモン系のバランスも乱れていきます。
特に、女性ホルモンのバランスが乱れることで、PMS(月経前症候群)や更年期症状なども出てきます。
このように、首のこりがさまざまな症状の原因になっているわけです。
このように書いてきましたが、すべての症状の原因が100%首こりであるというつもりはありません。
しつこく何度も書きますが、複雑系である人体において「〇〇が病気の原因のすべて!」「〇〇を治せば、すべてが治る!」ということはありえません。
大成堂は、東洋医学による鍼灸を行う治療院ですが、科学的態度を重視しています。
一方的な視点で人体を理解しようとすると、そこには歪んだ結果が生じる可能性が出てきてしまいます。
大成堂は、東洋医学、西洋医学と多角的な視点であなたのお体を診ていきます。
大成堂中医針灸院
院長 藤田 勇
脳の反射を利用した刺さない鍼を用いて、
病院で検査や治療を受けても解消しない体の悩みに
どうしていいのかわからない人たちを治療。
大学病院(日本医科大学・自治医科大学)で
計10年以上鍼灸外来を担当。
鍼灸臨床歴20年、のべ19,000人以上を治療。
刺す鍼から、刺さない鍼へ
刺さない鍼は、ハーバード大学で認められた鍼灸治療スタイルと、
中国でレジェンドと呼ばれる老師達に学んだテクニックを組み合わせ、
日本で多くの先生達から学んだ知識と技術、
解剖学、生理学、心理学といった西洋医学の知識、
さらに20年の臨床現場での経験を組み合わせて熟成させた、
大成堂オリジナルの技術。
(昼休み13:30~15:00は電話がつながりませんので、LINEかメールをご利用ください)