42歳 男性 群馬県 伊勢崎市
平成25年12月
手足の火照り 不眠 膝がだるく力が入らない
昔は手足が冷えていたが、気づいたら火照るように。もう10年以上になる。
以前は冬は大丈夫だったのが、最近は冬も火照るようになる。
皮膚科、整形外科で診察を受けたことがあるが、特に異常は見つからなかった。
不眠:だいたい2、3時間で目が覚めて、その後は寝付けない。日中は昼食後に眠くなる。
膝がだるく、力が入らない。
食欲正常。便通良。
週に一回のペースで治療をスタート。
手足の火照り、膝がだるいなど腎の弱り(腎陰虚:漢方では六味地黄丸が適応)が示唆された。
昼勤と夜勤を一週間ごと交代勤務をしているため、睡眠に問題があり不眠も起こしているため、腎に影響が起こったと考えられる。
このため、腎の弱りを強めること(補腎陰)を主に治療をおこない、併せて瘀血の問題もあるためそれに対する治療もおこなった。
使用したツボは、中封 照海 兪府 膈兪 脾兪 腎兪 百会 etc
一回目の治療後、当日はよく眠れた。
二回目の治療後、やはり当日は良く眠れた。背中の緊張が緩んで来た。
三回目の治療後、眠くて眠くてすごかった。当日は火照りも軽減した。
四回目の治療後、最近よく眠れるようになった。寝つきが良く、朝の寝起きも良い。手足の火照りは不変。
その後も同様の治療を継続、睡眠は良い状態が続いているが、火照りに関しては一進一退だった。
一ヶ月経過して、それまで毎日だった火照りが、一週間に二回ほど感じる程度になったが、季節が春に入って気温が高くなってきたら、また火照りがぶり返してきてしまった。
ここで現況を打開するために、どうしたものかと考えたのですが、火照りに加えてしびれもあるという訴えに着目し、しびれの治療も加えた。
新しく加えたツボは、上仙、梨状、坐骨、足心。
この治療を加えた一回目の治療後、二日ほど調子よく火照りが楽だった。
三回目の治療後、火照りは一日あっただけだった。
五回目の治療後、火照りは一日あっただけだった。
その後、火照りはほとんど感じない状態に、それと交代して大腿、下腿、足底の痛みを訴えるようになる。
それも同様の治療を継続していくことで、スムーズに改善していった。
ほとんど問題ない状態になり、メンテナンス治療に移行していたが、仕事の転勤で治療は中断となった。
この患者さんは、足の火照りを一番の悩みとして訴えていました。
上記にもありますが、東洋医学では腎陰虚という体の状態の時に火照りが出てきます。
この腎陰虚を改善するのは簡単ではないので、火照りがどれほど改善していくか完璧には分からない状態での治療スタートでした。
睡眠の問題は最初の治療から効果がみられ、スムーズに改善していきましたが、火照りは少し良いかと思ったら、またもとに戻るような状況を繰り返していました。
転帰になったのは、坐骨神経の問題に着目してからでした。
火照りとともに、しびれを感じると言う訴えから、坐骨神経を解放するための梨状筋治療を加えてから、火照りが一気に改善傾向に向かいました。
また、足底のツボ「足心」に直接灸をおこないました。
一般的には熱がある場合は冷やすことがセオリーなのですが、逆説的に熱を加えることで熱を発散させる高等テクニックになります。一歩間違うと、更に火照りが強くなる危険性もあるものです。
この二つの要素を加えることで、長年の火照りが速やかに改善していったのでした。
大成堂中医針灸院
院長 藤田 勇
脳の反射を利用した刺さない鍼を用いて、
病院で検査や治療を受けても解消しない体の悩みに
どうしていいのかわからない人たちを治療。
大学病院(日本医科大学・自治医科大学)で
計10年以上鍼灸外来を担当。
鍼灸臨床歴20年、のべ19,000人以上を治療。
刺す鍼から、刺さない鍼へ
刺さない鍼は、ハーバード大学で認められた鍼灸治療スタイルと、
中国でレジェンドと呼ばれる老師達に学んだテクニックを組み合わせ、
日本で多くの先生達から学んだ知識と技術、
解剖学、生理学、心理学といった西洋医学の知識、
さらに20年の臨床現場での経験を組み合わせて熟成させた、
大成堂オリジナルの技術。
(昼休み13:30~15:00は電話がつながりませんので、LINEかメールをご利用ください)